ガラス研磨 HAMILTON USN BUSHIPS |
このモデルは第二次世界大戦でアメリカ海軍の特殊部隊(UDT)が使用したもので、防水性を高めるため、ガラスをケースに鉛で溶着してあります。ガラス自体はオリジナルの状態なので、交換せずそのままにしておきたいのですが、やはり、特殊部隊が使用していたことから表面は傷だらけになっています。
今回、ガラス研磨を行いましたので、その方法をお教えします。
まず、耐水ペーパーを使って荒削りを行います。傷の度合いにもよりますが、♯400から始め、♯600、♯800、♯1000、♯1200、♯1500、♯2000の順に水を使いながら、研磨します。手作業なので、かなり疲れますが、今回、それを軽減する良い方法を見つけました。場所は洗面所、防振ゴムを土台にすることにより、クッション性と滑り止めを行います。耐水ペーパーは手に持って擦るのですが、裏蓋開閉用のゴムボールを使うとあまり疲れず、割と均一に研磨できます。
最初の♯400である程度大きい傷を消して、それによりできた擦り傷を消すように、順に細かい粒子の耐水ペーパーを使用します。
最後の一番細かい♯2000でも曇った状態になります。
ここまでの作業で約1時間掛かりました。
仕上げはガラス研磨材の酸化セリウムを使います。粉末状のものなので、水を加え、ペースト状にします。これをガラスに付けて、ミニルーターで研磨します。ルーターの速度は一番遅くし、セリウムができるだけ切れないように軽く当てます。強く当ててもバフではガラスは削れませんので意味がありません。
酸化セリウムは粒子が非常に細かく、こびり付くとなかなか落ちないので、適切な養生が必要です。
この作業で約1時間、合計2時間で作業完了しました。
今回、雰囲気を壊さぬよう完全に傷を取る事はしませんでしたが、時間を掛ければかなり綺麗になります。