イギリス陸軍 W.W.W.用 デッドストック風防 |
第二次世界大戦にイギリス陸軍が使用した時計、通称「W.W.W.」のデッドストック風防を入手しました。これは、イギリスMOD(国防省)が保管していたもので、イギリスのディーラーから譲ってもらったものです。「W.W.W.」とは「Waterproof Wrist Watch」の略で防水時計を意味しています。当時、イギリス国防省は、各メーカーに陸軍用の腕時計を発注しました。その条件として、防水性能を確保すること、ということがありました。防水構造でもっとも重要なのが風防の取り付け構造です。一般的な時計はケースに突っ張って留めているだけの構造。こちらの「W.W.W.」シリーズは特殊な形状をしています。
この構造をロンジンで説明します。
画像はケース、パッキン、傘型風防、風防固定リングです。まず、ケースに平パッキンが入ります。その後、傘型風防が入り、そこに風防固定リングをねじ込んで固定します。こうすることで、風防とケースとの間に防水性能が確保されます。W.W.W.シリーズでもIWCとオメガはまた別の構造ですが、その他のメーカーはこの構造を採用しています。
ちなみに後に製造されたIWCのマーク11はこの構造を採用しています。防水性能だけでなく、風防が取れてしまうという事故がないという点が評価されたのかも知れません。
W.W.W.シリーズを取り上げたついでに、これらの製造数が書かれた資料がありましたので、ご紹介します。Granaはなんと1000~1500個しか支給されていないようです。どうりで、探しても見つからない訳です。